未病のおはなしⅠ 番外編1 夏ばて

胃を働かせ 良い循環を取り戻す

猛暑の今年は、多くの方が、からだの不調を感じておられることでしょう。「夏ばて」とひとことでいっても、気温と湿度が上がり始める梅雨期から朝夕涼しくなる秋ごろまで、さまざまな症状が起こります。東洋医学的には、からだに熱や水分がこもったり、反対に気のエネルギーや水分がこもったり、反対に気のエネルギーや水分が不足したりすることを、「夏ばて」の原因と考えます。たまったものは外へ出し、足りないものを取り入れるのが基本的な考え方ですが、まずは、不足した気のエネルギー(気虚)を補い、胃の働きを改善して、食べものから栄養分を吸収し、全身に巡らせて、気を充実させるという良い循環を取り戻すことが重要です。そのためには、人参・黄耆という生薬の入った漢方薬を用います。「補中益気湯」「清暑益気湯」などが代表的な処方です。比較的早い時期にばてた方は、もともと胃が弱い場合が多いので「胃苓湯」「六君子湯」などで胃を丈夫にしていくことも大切です。最近美容面で注目されているプラセンタエキス(紫河車)やあな燕の巣(燕窩)も疲労回復作用のある生薬です。プラセンタエキスには安眠作用があり、また燕窩は胃を整えて、気を巡らせる作用が認められており、両者とも栄養分を全身に行き渡らせ、抵抗力を高めてくれます。食欲がないからといって、消化がいいとされる麺類を流し込んでいては、余計に胃に負担がかかります。「消化のいいものを食べる」というよりは、食欲のないときこそゆっくり噛む習慣をつけて「消化のよいもの」にして食べてください。

よく噛むための工夫

  • ①麺類にワカメ・納豆・オクラなどをトッピング
  • ②冷奴にいためたちりめんじゃこやゴマをトッピング
  • ③ヨーグルトにリンゴの角切り・ドライフルーツ
  • ④刺し身は大根やキュウリのつまや紫蘇葉と一緒に

アドバイス

漢方薬や生薬もその方に合わないと副作用は起こります。薬剤師や登録販売者に相談してお選びください。

監修:キリン堂 未病医療サポート室 杉本幸枝(薬剤師)