未病のおはなしⅠ 第6話 湿邪

山菜パワーでからだに熱をこもらせない

熱邪は、火が燃え盛るように上へ上へと向かう性質を持つため、体内に入り込むと、からだの上部に症状が現れます。具体的には、のぼせ・めまい・頭痛・目の充血・歯茎の腫れなどで、精神状態が不安定になって睡眠障害が起こることもあります。また熱がこもることで、出血しやすく、できものができやすくなります。日々の生活では、熱邪そのものが入り込むより、今までお話した湿邪・暑邪・燥邪・寒邪・風邪が体内で長期間とどまって熱邪に変わることの方が多いといえます。熱邪が燃え続けると、からだの水分やエネルギー(気)を消耗して潤いや気力をも奪い去ってしまいます。

対策
熱をこもらせないためには、苦みやコクを持つ春の山菜がお勧めです。フキノトウや菜の花、フキをはじめ、最近はタラの芽、コゴミ、ウルイ、若ゴボウなども手に入るようになりました。さっと灰汁を抜いてお浸しに。また、少なめの衣をつけて揚げ、岩塩で食べると、口の中に春が広がります。苦みには辛みのある物が相性はよいのですが、中でも春菊やシソ、チンゲンサイなどのように冷やす性質のものを一緒にとるといいでしょう。豆腐、トマト、蕎麦も冷やす性質をもつ仲間ですから、シソをのせた冷奴や、トマトの冷製パスタ、山菜おろし蕎麦などもいいですね。また、山菜や根菜には食物繊維が豊富なので、熱がこもって便秘しやすい人にも適します。現代の養生は多くの場合温めますが、熱邪に対しては反対に冷ましたり、他の外邪を早めに追い出して熱をこもらせないことが大事な養生、すなわち未病を治すことといえます。

アドバイス

季節に応じて外邪を防ぐと同時に、ご自分の闘う力(免疫力)も強くしてください。季節の野菜をしっかりとり、からだを動かすこと、腸をきれいにすることが基本です。これからも自然に逆らわず、巡り来る季節に応じた未病対策を心がけてくださいね。

監修:キリン堂 未病医療サポート室 杉本幸枝(薬剤師)