未病のおはなしⅠ 第5話 風邪

風寒と風熱 風邪の種類見極めて

今回は、「風邪」と書いて「ふうじゃ」と読む外因です。梅雨のころの「湿邪」がどんよりと重苦しい性質をもつのと対照的に、風邪はふわふわと軽い性質なので、手足のしびれ・震え・かゆみなど体の表面の症状や、頭痛・鼻水・鼻づまり・のどの痛みなど首から上の症状を引き起こします。時期的には春に強くなり、季節性のアレルギーや湿疹などの原因となったり、湿度の高い雨の日などには風湿の邪に変わって関節炎やリウマチなどの痛みの原因になったりします。このような痛みに使われる代表的な漢方薬は「疎経活血湯」です。

対策
風邪は身軽で動きやすいため、湿邪以外にも寒邪・熱邪などと一緒に侵入してきます。一般的にいう風邪には、風邪+寒邪の「風寒」と風邪+熱邪の「風熱」とがあります。風寒の場合、体温計で測って熱があっても、からだに冷えがあり、ゾクゾクしたり、首筋がこったりします。体力が中等度以上で汗をかいていない時には、葛根湯や麻黄湯を、汗をかいて弱っている時には桂枝湯などを用います。漢方薬を飲んだ後は仕事を休み、温かい麺類やお粥を食べ、暖かくして寝ることが特効薬となります。風熱の場合は反対に、熱がなくても熱っぽく感じ、のどの痛みなどの症状が起こります。このような風邪には、銀翹散を用い、果物を食べたり、額やわきを冷やしたりして、からだ全体の熱をとることが大切です。いずれにしても「『邪』が入ったかな」というタイミングをとらえて、養生してくださいね。

アドバイス

貝原益軒の養生訓にも「風・寒はもっと畏れるべきである。ながく風と寒にあたってはいけない」とあります。風邪やインフルエンザは、罹ってからの治療より、予防を心がけましょう。

監修:キリン堂 未病医療サポート室 杉本幸枝(薬剤師)