未病のおはなしⅠ 第3話 燥邪

潤いを得て抵抗力高まるキノコ類、果物

長い夏の暑さから解放されて、さわやかな季節となりました。じっとりとまとわりつくような大気に汗ばんでいた肌は、風に吹かれて、さらりと乾きます。秋や春は空気が乾燥するため、「燥邪」に侵されやすくなるのですが、からだの中で最も乾燥を苦手とするのは肺と大腸です。肺は東洋医学的には、気のエネルギーを生成して全身に巡らせるとともに、血液、水分の巡りや排泄にも関与します。燥邪が鼻や口から入り込んで肺が弱ると、新しい気のエネルギーができないため、呼吸器症状だけでなく、抵抗力(免疫力)も低下します。具体的には、口やのど・皮膚の乾燥、鼻づまり、空咳、目の充血などの症状のほか、大腸の乾燥による全身倦怠感や免疫力の低下などがあげられます。乾燥は美容面にも大きく影響します。年齢を重ねることを「枯れる」といいますが、肺が弱って潤いをなくすことで、見た目の若さも失われがちです。

対策
潤いには、季節の果物、柿や梨を食べるようお勧めします。また冬に備えて免疫力を高めるには、旬のキノコ類がすぐれもの。最近はやりの電子レンジによる温野菜の要領で、キノコも簡単に調理して、レモン汁と岩塩またはゴマダレなどでおいしく食べることができます。とはいうものの、肺の養生には正しい呼吸が第一。特にたばこの煙は、燥邪の侵入以前に肺の機能を低下させ、ウィルス感染や炎症をおこしやすい下地を作ってしまいます。食養生と同時に煙害にはご注意ください。

アドバイス

秋は、憂いがち。時には高い空や樹木に視線を移し、いつもより早足で歩いてみてください。からだと心がシャキッとしますよ。

監修:キリン堂 未病医療サポート室 杉本幸枝(薬剤師)