未病のおはなしⅠ 第2話 暑邪

熱をさまし、かつ冷やしすぎない

最も太陽のエネルギーを受ける季節の外因「暑邪」は、上へ上へと向かって燃え上がる炎のような性質をもち、これにおかされると、ほてり・のどの渇き・むかつきといった熱中症や日射病のような症状が起こります。東洋医学では「心」と「小腸」が「暑邪」に弱いとされ、「心」は心臓や血液のような循環器官だけでなく、同じ読みの「神(精神)」をも意味し、動悸・息切れやイライラ不眠のような精神症状も起こすと考えられています。また小腸は消化以外に免疫にも関与するため、小腸の機能低下は、栄養分の消化不良だけでなく、夏風邪や皮膚トラブルの一因となります。

対策
「暑邪」に打ち勝つには、からだにたまった熱をさますことと、汗で失われた水分・ミネラルの補給が基本です。ただし、さましすぎて冷えると、ばててしまうので加減が大事です。「心」をいたわり、熱を取るのはゴーヤ・ゴボウ・ビール・緑茶・コーヒーのように「苦い」食べ物や飲み物、そしてトマト・キュウリ・ナス・冬瓜のような夏野菜です。これに「辛い」食べ物(七味唐辛子・ニンニク・ショウガのような薬味や大葉・ニラ・ネギのような香草)も一緒にとることで冷やしすぎを防げます。暑気払いの代表選手「焼き肉とビール」……残念ながら、牛肉やマトンは余計からだに熱をこもらせるので、比較的こもらせにくい豚肉も取り、肉より野菜の量を多くすると、欠点をカバーできます。またビールは「苦味」にはちがいないのですが、過ぎたるは及ばざるがごとし……です。

アドバイス

眠れない、イライラするなどの症状も未病です。暑さだけでなく冷房や冷たい飲食物も未病の原因となるのでご注意を。

監修:キリン堂 未病医療サポート室 杉本幸枝(薬剤師)