未病のおはなしⅠ 第1話 湿邪

からだに水分をためこまない

梅雨時期の雨は、植物の成長に欠かせないものですが、高い湿度は、私たちの体調にも大きく影響します。これを東洋医学では「湿邪」とし、重くて粘々した性質があるため、頭や手足が重い・だるいという症状や関節痛・膀胱炎の原因になりやすいとされています。また、食欲がなくなったり下痢をしたりするのは、東洋医学では、「脾」と呼ばれる胃などの消化器が、最も「湿邪」に侵されやすいからです。食べ物を消化して、栄養を巡らせるはたらきの器官が弱ることで、疲労倦怠感などの全身症状がでます。ですから、もともと胃の弱い方は早々に「夏ばて」になり体調をくずしがちです。

対策
この時期を乗り切るには、水分代謝を良くし、食べ過ぎを避けて胃の機能を保つことが大切。食材は大きく五味(香辛料の辛味、塩辛味、酸味、苦味、甘味)に大別され、それぞれ異なる働きがあり、おもに「甘味」が胃を守ります。この甘味は、食材そのものの味のこと。多くの果物やニンジン・ジャガイモ・サツマイモ・山芋・カボチャ・豆類(豆腐も含む)などが「甘味」に分類されますが、これもたくさん食べるとからだに熱がこもり、水分がたまりがちになります。余分な水分を排出する食材には、スイカ・ゴーヤ・トウガン・小豆・ハトムギなどがありますので、うまく組み合わせてください。食事以外の湿邪対策として、お風呂はぬるめのお湯(38度くらい)にみぞおち辺りまでゆっくりつかりましょう。また、普段から、早く歩く習慣をつけることで水分代謝の改善が期待できます。

アドバイス

心身の発するサインがちゃんと聞こえていますか?分からないことや不安なことは、お近くの薬剤師に相談してみてくださいね。

監修:キリン堂 未病医療サポート室 杉本幸枝(薬剤師)